塩トマトの作り方を知って、料理のレパートリーも広がる!

塩トマトは身体に優しい万能調味料

塩トマトの作り方

塩と食材を一緒に使った万能調味料やフードが根強い人気です。その中でも最近注目されているのが、トマトを塩漬けにした「塩トマト」。
トマトには強い紫外線から守るリコピンやビタミンC、内臓脂肪を減らすグルタミン酸などの女性の美容をサポートする栄養素がたっぷり含まれています。また、塩とトマトはミネラル分も多いので、夏に失われがちなミネラル補給もでき、“食べる”熱中症対策もできます。

簡単でお手軽な塩トマトの作り方

漬物は途中で何度か混ぜるなどの手間もかかりますが、塩トマトは材料さえあれば、保存する前に一度混ぜるだけです。

塩トマトの材料
・皮付きの完熟トマト…300g
・塩…15〜20g (※トマトの分量に対して5〜8%が目安)
・はちみつ…30g (※トマトの分量に対して10%が目安)
・つぶしたニンニク…1片(※おろしでも可)

塩トマトの作り方

塩トマト

1. トマトは中玉より大きければヘタ部分を除いて0.5〜1cmの角切りにする。プチサイズなら縦半分に切る。
2. 切ったトマトの果肉と汁を煮沸済みのガラス容器かホーロー容器へ入れる。
3. 2で用意した容器に塩・はちみつ・ニンニクを加え、軽く混ぜる。
(※ニンニクに抵抗がある場合、分量を減らしたり、抜いたりできます)
4. ふたを閉めて冷蔵庫に入れて一晩漬ける。

塩漬けしたトマトの水分には素材の旨みが凝縮されています。汁は捨てずに使って味わいましょう。
塩トマトは漬けた翌日から食べられますが、すべての素材の旨みが十分行き渡った2〜3日経過したものの方が食べやすくなります。

塩トマトの補足
・保存期間は冷蔵で約10日間です。
・トマトの品種は特に制限はありませんが、トマトの濃度や水分量によって、味や濃さに違いがあります。トマトの濃厚な味わいを好むなら、中玉のフルティカやミニトマトがおすすめです。

アレンジも自由自在!おすすめの塩トマト活用法

塩トマトアレンジ

塩トマトは加熱してもしなくても、あらゆる料理シーンに大活躍できます。調味料のように常時ストックしておくと便利です。スパイスやバジルなどのハーブ類、オリーブオイルなどを塩トマトに足すと、風味もアップし、また違う味わい方が楽しめます。試しに塩トマトを用いて、豆腐や白身魚などのあっさりした食材と一緒に食べてみました。お互いの味が引き立ち、組み合わせも抜群でした。おいしく食べて美容にも効果的な「塩トマト」。皆さんも試してみてはいかがでしょうか。

(文・写真 小田るみ子)

生キクラゲの栄養やレシピのこと、吉村しいたけ農園さんに聞いてみます!

キクラゲの旬は夏!

「キクラゲの旬がいつなのか」を考える前に、皆さんはキクラゲがキノコの仲間だということをご存知ですか?
ケヤキなどの広葉樹、とくに切り株や枯れた木などに生えやすいキノコなのです。寒い時期を除き4月頃から9月終わりくらいまで、比較的長く収穫できますが、旬は夏。今が一番美味しい季節です。皆さんが普段口にするキクラゲは、乾燥のものが多いと思います。乾燥のものなら一年中使えますね。ところが、生のキクラゲはまず食感が全く違います。今回は、先日登場した吉村椎茸農園さんの生キクラゲをご紹介します。吉村さんに、美味しい食べ方、保存の方法などを伺ってみました。

きくらげ-min

キクラゲの他のお野菜にはない栄養

キクラゲはビタミンDを沢山含んでいます。ビタミンDは、骨の形成に大きく役立つ栄養素です。一般的なお野菜にはビタミンDはほとんど含まれておらず、貴重な食材と言えます。骨粗鬆症の予防を始め、免疫力を高めたり、癌を予防してくれたり、現代人には欠かせません。更に、キクラゲは水溶性の食物繊維を豊富に含んでおり、排毒作用、整腸作用に優れています。
また、鉄分も多く含むため、貧血などの症状にはオススメです。さらに、鉄分はビタミンCと一緒に摂ると吸収が高まるので、お野菜をたっぷり使ったお料理にキクラゲを加えると効果的です。

生キクラゲのレシピ

キノコは種類によって、洗った方が良いものとそうでないものがあります。理由は、劣化が早くなる、風味がなくなってしまうなどですが、キクラゲは洗ってもそれほど劣化しないと言われており、この白い部分が気になる方もいるそうで、大抵は洗ってから出荷されます。気になる方は調理の前にもう一度洗っても良いでしょう。そして鍋に湯を沸かし、さっと30秒ほど茹でます。そしてすぐさま、冷水にさらします。

キクラゲ

ここまですれば、あとはどんなお料理にも使えます。この時点で水気をよく切り、容器に入れて冷蔵庫で保管すれば一週間くらいは美味しくいただけるそうです。
吉村さんのオススメは、シンプルに「わさび醤油」で、お刺身風に。私も早速いただいてみました。ぷりぷりの食感!これは乾燥のキクラゲでは絶対に味わえない美味しさです!

キクラゲアレンジレシピ

更にアレンジしてみました。
胡瓜の細切りとキクラゲの細切りを合わせ、豚バラ肉を茹でて冷水にさらしたもので巻き、わさびポン酢でいただいてみました。なんとなく直感で作ってみたこのレシピ、実は沖永良部島では一般的な食べ方だという説も!他の食材の味を邪魔せず、食感で美味しさUPの生キクラゲ。旬の夏に楽しんでみませんか?

国産ライムの美味しい使い方

ライムの美味しい使い方

愛媛県忽那諸島二神島から届いた国産ライム。せっかく生産者の方にお話を伺えたので、ライムの生産者さんならではの美味しい使い方を聞いてみました!

ライムの美味しい使い方を教えて下さい
とにかく塩味のものとの相性が抜群!な事と、香りの秘訣は「皮」にある、というところですね。
なので、料理の仕上げに皮の香りと一緒に搾りかける、というのが基本です。魚の塩焼き、お刺身やマリネの仕上げに、天ぷらや唐揚げに振りかけて、サラダのドレッシングとして、焼き肉のタレとしてそのままで。

ライムの使い方

和食でのカボスやポン酢などの酸味をそのままライムに置き換える、といった発想でぐんっと用途も広がります。また、皮の香りを引き出すため、塩味パスタの仕上げに皮をすりおろして香味付けするととたんにエスニックな味わいに変化します。

ライムはお酒との相性も抜群

もうひとつのライムの特徴が「お酒」との相性が抜群なところ。
コロナビールにライムを加えるレシピは有名ですが、これは全てのビールでお試しいただけます。同様に、酎ハイやハイボールにもレモン感覚で加えてみると、いままでにない高級感が味わえますよ!個人的には、柑橘の皮の成分が健康によいという話に共感しますし、クエン酸の酸味が二日酔いを楽にしてくれてるように感じてます。

意外?ライムは日本酒にもぴったり!

ライムと日本酒

最後に、オススメのレシピを。えっ?と思われるかもですが、「日本酒」にライムを、ほんの少し。搾ってみて下さい。
ライムにも少量ながら糖分が含まれてます。なので、ちょっぴり入れる事で香りが立つと同時に口当たりが優しくまろやかになります(香りが強いので入れ過ぎ注意です。)日本酒にこんな飲み方があったの?ていうくらい、愉快な酒席になるハズです。ぜひお試しを。

なるほど!ライムの可能性が広がりますね。国産のライムは希少なため、価格は決して安いとは言えませんが、もしどこかで出会ったら、是非購入して、オススメレシピをお試しください。

本当においしいぶどうを作る人/酒井正太さん

本当においしいぶどうを作る人

ぶどう園

「山形の人たちはものすごく研究してるんだなと思います。あの豪雪や強風の厳しい自然の中で、ぶどうも桃もあれだけおいしいものを作るんですから。それにくらべると、福島は本当に恵まれた土地ですよ。」
福島のぶどう農家の酒井さんに初めてお会いしたときに聞いたこの言葉がとても印象に残っています。様々な生産者の方と出会いますが、畑に行く前から、食べる前から「この人の作るものは絶対に間違いがない」と、確信できる人がいます。酒井さんもその一人です。そんな酒井さんの畑にお邪魔しました。

ぶどう販売、営業マンはお客様

福島県伊達市梁川町、緑の豊かな山間部に民家が並ぶ細い通りは、「となりのトトロ」の風景です。車2台がすれ違うことはできる道ですが、お盆の時期には酒井さんのお宅兼直売所前が大渋滞を起こすそうです。お父さんがぶどう農家をはじめてから約40年、酒井さんは二代目です。毎年口コミでお客様が増え続けるぶどう畑、大半は宮城県からのお客様で、ちょっとドライブを兼ねてぶどうを買いに来ます。

「あら、お宅も来ていたの!」という会話があちこちで聞こえ、「こっちは今出ますよ」「次どうぞ」と、渋滞の交通整理もお客様同士でやってしまう和やかさです。「産直でぶどうを買ったのだけれど、やっぱり違うのよ! ここのじゃないと!」と、力説しながらぶどうを買っているご婦人も。酒井さんは「こっちも食べてみて」とぶどうを食べ比べさせ、手際よくぶどうを包んでいきます。

「そうそう、これ! これじゃないと!!」「あなたもこれ食べてみて!」とご婦人は得意げな顔で私にもすすめてくれます。「こっちは甘みがあるけれど、みずみずしくて酸味も甘みもあるのがこっち」と詳しい説明を聞いてから食べてみると、確かに、ご婦人のおっしゃる通り味が違います。そんな私の顔を見て、ご婦人はぶどうをたくさん抱えて、軽やかな足取りで満足気に帰って行きました。

酒井さんの育てるぶどうは20種類

酒井ぶどう園のぶどう

酒井さんの育てるぶどうは20種類。今年の夏は気温が高く雨が少なかったために収穫がとても早く、一番早い「あずましずく」は8月の第1週目からスタートしています。種無しのやわらかい果肉で甘みのある大粒の「あずましずく」の次は、巨峰よりも甘みが強く濃厚な味わいの「高尾」、さらに大粒で糖度の高い鮮やかなグリーンの「シャインマスカット」、すっきりした味で甘みと酸味のバランスが絶妙な「ピオーネ」…とメジャーどころが次々と出てきます。

他にも、市場ではほとんど出回らない「伊豆錦」「翠峰(すいほう)」「ベニバラード」などの珍しい品種を育てています。中でも「シナノ・スマイル」は栽培も難しく、酒井さんのところでも収穫が極僅かな晩生種。鮮やかなピンク色で、りんごの香りがするという甘いぶどうなのだそうです。例年は10月下旬頃に収穫される「シナノ・スマイル」ですが、今年は天気の影響で少し早まりそうだとか。味わえる日が今からとても楽しみです。頂いたぶどうを、ぶどう好きな方にお裾分けをしたところ「すごく美味しい!」「どこのぶどう?!」と大好評、あっという間になくなりました。
「ぶどうは、酒井さんのところのを」と。

私の秋の楽しみがまた一つ増えました。酒井さんのぶどう作りのお話は、また次回。

旬の野菜は1年に1回しか作れないから難しい/臼杵英樹さん

野菜を宅配で届けた方から反応があることが自信になる

香川臼杵英樹

―― 臼杵さんはご自身で野菜作りをしつつ、香川県の農家の方を束ねていろいろな活動をされていると思います。

香川県は農耕地が少なく、農業が全国的にあまり知られていません。ただ、本当にいい野菜ができるので、それを宅配を通じて全国の人に知ってもらう良い機会になっていると思います。農家は高齢化が進み、若い人が離れていくという状況もあるので、自分が作ったものが評価されていることを実感してもらうことで、農家の活性化に努めていければと思います。

直送でお届けしているので、「美味しい」と言っていただくことが多く、反応がとてもいいので、うれしく思っています。ふだん私たちが普通に食べているものなのですが、美味しいと言われると、自信になりますね。

美味しいお野菜を作るために行っていること

―― これからの目標はありますか

美味しい食物をつくっていくためには、自分が作るだけではなく周りの生産者に作り方を伝えていく必要があると思っています。幸い香川県には沢山の仲間がいて、1日に数人の方に会いながら、「こうしたらいいのではないか」などアドバイスしています。

タイミングをみながら話すようにはしています。何かうまくいかないなと思って何かに直面している人には、心に響くので、そのタイミングで声をかけたりしています。これらは入口の部分ですが、一方で、出口の部分では、野菜をおろしているレストランなどに「主婦の人がこんなレシピが良かった」などの情報を知らせるようにしています。

旬の野菜は1年に1回しか作れないから難しい

香川の新玉ねぎ

―― 大事にしていきたい想いなどありますか

農家としてのスタートは実家のたけのこの生産を継いだことにはじまります。たけのこに限らず野菜の旬って1年のほんの一時期です。その時をのがさないようにお届けするためには、種まきの時期、播く量、品種、育て方などほんとうに難しい。「こうすればよかった」と思うこともよくあり、それをまた1年後に試します。そういう意味で、栽培や収穫の一回一回を大切にすることを忘れないでいたいです。

うま味たっぷり「トマトだし」の作り方と活用術

トマトだしってどんなもの?

トマトのだし

夏になるとたくさん出回る真っ赤なトマト。そのトマトから「だし」が取れることをご存知ですか。ここでいうのは、赤いトマトスープではなく、料理にうま味を加える、透明のだしのこと。トマトだしの成分は、昆布だしによく似ています。うま味成分のグルタミン酸とアスパラギン酸が多く含まれていて、様々な食材の味を引き立たせる効果があります。和食を提供する料理店でも、トマトだしを使うことがあるそうです。気がつかないうちに、どこかで口にしているかもしれませんね。味はとっても爽やかですっきりとしています。作り方はいたって簡単!栄養価が高いトマトを使って、様々な料理に使える「トマトだし」を作ってみませんか。

トマトだしの作り方

トマトだしの材料(味噌汁約3杯分)

*トマト(今回はよく出回っている品種、“桃太郎”を3個使いました)
*水(トマト1に対して水2)
*塩少々

トマトだしの作り方

1.トマトは種と皮がついたまま、ざく切りにします。

トマトだし

2.鍋にトマトと水を入れて煮ます。沸騰したら弱火にし、塩を加えて10分ほど火を通します。浮いてきたあくは取りましょう。

トマトを出しに

3.キッチンペーパーを敷いたざるに2.を流し込み、こしたらでき上がり。

出汁

トマトは万能選手なんです!

トマトを素麺に

ほのかな酸味とさっぱりとした風味は、夏の料理にもぴったり。冷してお好みで醤油などを加え、素麺や冷ややっこにかけると、いつもとちょっと違った味わいが楽しめます。夏野菜の揚げびたしにもよく合いますよ。意外かもしれませんが、味噌とも相性がよく、お味噌汁のだしとしても使えます。もちろん、洋風の料理にもよく合いますから、ポトフやパスタに使ってみてください。トマトのうま味を生かして、素材の味を楽しんでみてくださいね。

残ったトマトは……
だしを取ったあとのトマトも十分美味しくいただけます。みじん切りにしたニンニクと一緒にオリーブオイルで炒め、塩コショウとお好みでバジルなどを加えて、トマトソースなどいかがですか?

(文・写真/後藤菜穂)

トマト×バジル・やっぱりゴールデンコンビ!〜夏こそ大いに食べたい!

「あいさん」という名前のちょっと珍しいみかんの紹介

早生みかん「あいさん」

屋外のイベントで極早生や早生の品種を販売した10月末。
「わぁ!美味しそう!」「見るからに甘そうね。」
そうやってひときわ人々の目を惹きつけた柑橘がありました。それが「あいさん」です。

中島あいさん

昭和61年より愛媛県松山市で交配し、改良などを続けて平成12年に完成した柑橘で、まだまだ一般にはあまり知られていないとても新しい品種です。愛媛県内ではちらほら見られますが、まだ関東近県ではお目にかかることは難しいでしょう。楠本早生と太田ポンカンを掛け合わせて作られ、10月末から11月前半頃が食べ頃です。

あいさんってどんなみかん?

大きさは温州みかんと同じ手のひらサイズ。早生みかんの楠本に比べ、少し平べったい形をしています。ごつごつとした外皮が特徴。雨の少なかった年には特にごつごつするのだそうで、ごつごつが多いのは糖度が高い印なのだそうです。色は、早生みかんに比べて濃い色をしています。
普通の温州みかんに比べて、少し皮が剥きにくいですが、手で剥けます。ちょっと、皮がボロボロになってしまうことと、じょうのうが柔らかくて薄いため、少し果汁が手につきやすいので、食べる時はおしぼりなどを用意しておいたほうが良いでしょう。種はないので、とても食べやすいです。味は、とにかく甘くて濃厚!イメージ的にはちょっと「せとか」を思わせるような甘さとジューシーさです。ポンカンのかけ合わせ品種なので、ポンカン特有の爽やかな酸味も味を引き立ててくれます。
こんな柑橘があったなんて!
極早生から早生の時期は酸味の強い品種が多く、甘いみかんはもう少し待たないと・・・今までそう思っていたのですが、これからは早い時期から甘いみかんが食べられますね!

あいさんが食べたい!

あいさん

ほぼ、愛媛県で生産されています。松山や今治などが産地です。まだ入手困難な品種ではありますが、少しずつ購入できるよになっているようです。ただし、たくさん生産している農家さんも少ないので、出荷時期がとても短く、やはり購入が難しいことは確かです。インターネット販売などで見かけることもありますが、見つけたらできるだけ早く購入されることをオススメします。まだまだ珍しい柑橘、これからみなさんのお手元に届くよう、生産量が増えていくと良いですね。
今回はちょっと珍しい柑橘のご紹介でした。

本当に美味しいちゃ豆は、ちゃ豆と枝豆の違いを教えてくれる。/ちゃ豆農家・渡部さん

山形県酒田市の「ちゃ豆」農家・仁助屋の渡部さん

日に焼けた黒い肌、ガッチリ逞しい大柄な身体、言葉数は少ない。ちょっと怖い人なのかな…と恐る恐る近づいてみたら、シャイな人でした。酒田市でちゃ豆農家を営む「仁助屋」の渡部さんは、8月のカンカン照りがよく似合います。大きくてつぶらな瞳。森のくまさんのイメージです。美味しいものは美味しい、ダメなものはダメ、言い訳をしない。決して多くない言葉の中には、直球勝負で裏表のない誠実さがギュッと詰まっていて、ちゃ豆のことを聞くと、嬉しそうに丁寧に教えてくれます。

ちゃ豆農家仁助屋の渡部さん

仁助屋では、在来種のだだちゃ豆から良い豆を選別し、毎年20品種ほど作付けをしています。平地から鳥海山麓までの高低差のある畑で時期をずらしながらリレー栽培を行うことで、通常は8月下旬までのところ、9月下旬頃までちゃ豆を出荷しています。リレー栽培は、畑がたくさんあればできるというわけではありません。畑ごとの特徴と豆の品種特性、生育状況、天候などすべてを見極め育てる技術があってこそ、本当に美味しいちゃ豆を世に出せるのです。まるで一流のスポーツ選手を育てる監督です。
仁助屋のちゃ豆づくりには渡部さんのご家族も欠かせません。渡部さんと体格はそっくり、明朗で暖かく見守るお父さん。正反対にとっても小柄、明るく、ちゃきちゃき動き回るお母さん。みんなちゃ豆が大好きな、チーム・仁助屋です。

ちゃ豆収穫体験

ちゃ豆畑

午前5時。
朝日がまだ山の向こうに隠れている頃、朝露に濡れるちゃ豆の収穫が始まります。「結構きついっすよ」と、渡部さんに言われたにも関わらず、私は「お手伝いをさせてください!」と、マイ長靴に長袖長ズボン、タオルを巻いて準備万端、意気込んで畑に向かいました。畑の中はさあ大変。収穫期の畑はちゃ豆が鈴なり。ちゃ豆のジャングルなのです。どこから手を出してよいものか…やっとよさそうな枝を見つけて、「いざ!」と力を入れて見るものの、なかなか抜けません。

ちゃ豆の収穫体験

朝露で湿った粘度質の土はなかなかのくせ者です。おそるおそる慎重に引っ張ってもちゃ豆の根っこはびくともしないどころか、周りの泥ばかりが跳ね返って来て、自分が泥だらけになるだけ。大地にしっかり根が張っており、枝も相当な重さです。膝を曲げ、腰を落として力を入れて一息に抜き、勢い良く叩いて根っこの土を落とします。
イチニ、イチニ、イチニ…一定のテンポで軽快な渡部さんはその大きな身体にバネでもあるのかというほどスイスイ進んで行きます。それにひきかえ、いちにーさん、いっちにーさん、いっちにーさん・・・しーご…の私。やっとのことで5つほど引っこ抜いて、顔を上げると、渡部さんは遥か彼方、1列抜き終わっていました。足腰ガクガク、泥だらけになりながら30分程で収穫体験を終えました。忠告通りの大変さです。美味しいちゃ豆を食べられるのはこの重労働があってのこと、本当に「ごちそう」だと思いました。収穫体験は私にとっても貴重な体験でした。残念ながら、あまりお手伝いにはなっていませんでしたけど。

仁助屋の「ちゃ豆」が教えてくれる、ちゃ豆と枝豆の違い

仁助屋のちゃ豆

ある時、仁助屋のちゃ豆を茹でているところにたまたま食品メーカーの開発担当の方が遭遇し、あまりの香りの良さに「これはどんなちゃ豆なのですか?こんなに良いちゃ豆の香りははじめてです!」と驚いたと言います。また、埼玉県にある公立中学校で給食にちゃ豆を出した時には、箱を開けた瞬間に、給食室にちゃ豆の香りが広がり、子どもたちも「いつもとちがう枝豆だ!」と大喜び。先生たちも、「ビールが飲みたくなる」と。今年も仁助屋の渡部さんから、そんなごちそうの「ちゃ豆」が届きます。収穫してから日が経つと甘みも香りもぐっと落ちてしまいます。穫れたてをなるべく早めに茹でてお召し上がりください。
本当に美味しいちゃ豆は、「ちゃ豆」と「枝豆」の違いを教えてくれます

もっと気軽に!桃の食べ方

うれしい特別なくだもの「桃」

桃の皮

やわらかくキラキラと輝く短い産毛に身をまとった果実・桃。肌色から薄紅色、そして紅紫のグラデーションは、赤ちゃんのやわらかいほっぺそのもの。「やさしくしてね」という声が聞こえてきそうです。子どもの頃、林檎や梨の皮むきはたくさんしました。お手伝いとして、そして包丁を使う練習として。でも桃は特別。お中元などでもらう特別なくだものの桃は、大人しか触ってはいけない「特別」な存在でした。
桃は皮をむくのが難しいので、子どもにむかせたら食べるところが無くなる、という理由だったのだと思います。でも年月が経った今でも、桃をむくときにはちょっぴり緊張します。桃はうれしい、そして特別な果物です。

日本人と桃

かつて、お菓子というと果物のことでした。今でも懐石料理では「水菓子」として果物が出てきます。お菓子を多くの人が食べられるようになったのはごく最近です。お菓子である果物は、高貴な方しか食べることができない大変貴重なものでした。梅、柿など、種が大きくしっかりした果物は特に重宝されてきました。特に桃は不老不死の実、魔除けの力があるとされ、神事で供えられたり、お墓に一緒に埋葬されています。お店の軒先にならぶ桃の香りには道行く人が足をとめます。桃の香りは他の味を邪魔せず風味を良くしますから、加工品にもたくさん使われています。香水や芳香剤の代表的な香りでもあります。

数年前、奈良県で太古の桃に出会いました。桜井市の纒向(まきむく)遺跡は、弥生時代末期から古墳時代前期にかけての集落遺跡です。ここから二千個を越えるたくさんの桃の種が出土しているのです。昔からたくさんの人に愛される果物だったのでしょう。この鮮やかで愛らしい果物は、昔々から人々の暮らしの中にぽっかりと灯っていたのだろうと思います。そんな桃へのあこがれは、時を経て私たちの遺伝子にしっかりと組み込まれているに違いありません。

もっと気軽に!桃の食べ方

桃食べ方いろいろ桃の食べ方

桃は皮をむかずに食べることはできないと思っていませんか? 実は皮ごと食べてもおいしいんです。「皮ごと食べるんですか?!」と、驚かれる方も多いことでしょう。スイカの皮を食べる人はほとんどいないと思いますが、地方によって、また家庭によっては桃を皮ごと食べる習慣があります。アレルギーの心配がなければ、水で洗って、産毛をさっと拭きとり、ガブリと噛んでみてください。完熟桃だとあふれんばかりの果汁をあますこと無く食べられます。かなりワイルドですのでタオルの準備をお忘れなく。桃のやわらかさと、しっかりとした皮の食感が何とも言えないマリアージュです。しかも桃は皮と実の間が一番美味しくて栄養もたっぷり。皮をむくのが苦手な人でも桃をおいしく楽しめる丸かじり&少し固めの桃が私のオススメです。

桃の産地に住んでいると、桃の季節は生活が桃であふれます。どこにいっても店頭にたくさん並んでいますし、都会で生活していたら想像できない、桃のおすそ分けも。カリカリがいいかトロトロがいいか。桃の食感は好みが分かれるところですが、桃の産地では品種に関わらずカリカリ桃を好む方が多いようです。小さい頃から畑でもぎたてを食べているせいでしょうか。
桃の季節は、なんとも幸せでうれしい季節です。

いりこを上手に下処理して、手作りいりこだし

作ってみると意外と簡単な「手作りいりこだし」

ついつい手軽な顆粒だしを使うところを、ちょっとひと手間かけて“おいしくていねいなくらし”を楽しみませんか。臭みのない、おいしいいりこだしのポイントは「下処理」。アタマとはらわたをしっかり取り除き、クリアなだしの味を楽しみましょう。

いりこの下処理

① いりこのアタマをとる

いりこの下処理を子供と

下処理の1つ目の工程は「アタマをとる」。ぽきぽきと簡単にとれるので、子どものはじめてのお手伝いにもぴったり。わが家の子どもたちは、いりこのアタマをぽきぽきとりながら、とったアタマを時々口の中へ入れています。楽しくお手伝いをしながら、栄養も摂れて一石二鳥かも・・・?アタマをとるだけでもよいのですが、どうせならもうひと手間。「はらわた」まで取り除き、澄んだだしでお料理しましょう。

② いりこのはらわたをとる

はらわたをとるのはちょっとコツが必要です。(とはいえ、慣れたらやはりカンタン)写真のように、アタマをとったいりこの背中を上にして

はらわた

指でそっと左右に割り(骨に沿って簡単に割れます)ます。

はらわたをした処理

左右に割れたら、はらわた(中の黒い部分)を取り除きます。指でつまむとぽろりと外れます。
はらわたをした処理

こんなかんじで、きれいになったら下処理完了です。

いりこ下処理完成

とっても簡単でしょ!

下処理したいりこで、簡単「水出しだし」

いりこだし

下処理したいりこは煮出して使うのが王道。でも、煮出したいりこだしはおいしいけれどすぐに風味が落ちてしまうのが難点。作りやすく、使い勝手がよいのは「水出しだし」。瓶(できれば煮沸消毒したい)に、いりこと水、臭み防止にひとさじの日本酒を入れてそのまま一晩冷蔵庫に入れておくだけ。水1Lにいりこが50gで結構いいだしが出ます。水出し以外の詳しいいりこだしの取り方は意外と簡単、でもおいしい。手作りいりこだしをつくるでも紹介していますので、参考にしてくださいね。

子どもと一緒に、ちょっとていねいでおいしい暮らし。子どもと話しながらなら、面倒な作業も楽しい。小さい手で下処理をするのは、集中力や巧緻性の向上にも役立ちそうです。なにより、一緒に作ったていねいなお味噌汁は、子どもたちの心にも体にもいい栄養をくれる大事なメニューになります。ぜひお試しください。

食育