切り干し大根はハリハリ漬けに、大根葉はふりかけに

切り方は自由、自家製切り干し大根

冬ならではの太くてみずみずしい大根。使いかけがしなびてしまいそうになった時におすすめしたいのが、自家製の切り干し大根です。市販の切り干し大根は細長く切ったものを天日干ししていますが、輪切りでも拍子切りでも大丈夫。それぞれの切り方ならではの歯ごたえを楽しむことができます。

使ったのは、青首大根と黒大根。黒大根はゴボウに似た美味しさがあって、天日干しすることで黒い皮の部分がさらに味わい深くなります。

大根天日大根の天日干し大根天日干し

冬でも天気の良い日であれば、一日二日陽に当てるだけでグングンと水分が抜けて、あっという間にできあがり。これで、太い大根も残さず無駄なく保存することができます。

大根の葉を賢く使う

もうひとつ無駄なく使いたいのが、冬の貴重なビタミン源である大根の葉。そのままにしておくと、すぐにしなびて葉が黄色くなってしまいますが、みじん切りにして冷凍すれば、緑が鮮やかなまま、小分けで使えて便利です。みじん切りにした葉は、大きなボールに入れて塩揉みし、出てきた水分をギュッとしぼって保存袋に詰めます。塩揉みは、お湯で茹でるよりも簡単なうえ、ビタミンも流れ出しません。

大根の葉

抱えるほどたくさんの大根の葉も、塩揉みすれば保存袋ひとつのコンパクトな大きさに。冷凍後に使う時は、板チョコのように必要な分だけ端から折って取り出します。

大根の葉保存方法保存した大根の葉の使い方

ハリハリ漬けと大根葉のふりかけ

大根ハリハリ漬け大根の葉レシピ大根の葉でハリハリ漬け

天日干しの大根は、好み固さに水でもどしてから、甘酢と唐辛子でハリハリ漬けに。大根葉は、塩揉みした時の塩味に醤油とカツオ節を加えて、しっとりとしたふりかけに。納豆と混ぜても良いですね。凝縮された大根の滋味は、ごはんがすすむ美味しさです。

写真・文:伊藤陽子(ヨウデザイン)

基本の基本、大根の下処理をおさらい

大根の下処理、おさらいしてみます!

寒い日は、出汁がしみたほくほくの大根を食べたい!と思いませんか?サラダにももちろん、おでんやほろふき大根…様々な料理に使われますね。そんな大根ですが、調理までの下処理、改めて確認してみませんか?

大根の選び方

大根といえば「辛い」と思う方も多いのではないでしょうか?
辛味も旨味の一つですが、苦手な人もいます。
辛くない大根の見分け方ですが、大根のひげ根の並び方に注目します。ひげ根とは、大根の表面にある細い根っこです。ひげ根がとれてしまっているものもあるので、表面のぷつぷつしたくぼみを見つけます。そのぷつぷつが、縦に線のように並んでいるものが辛くない大根になります。買う前に辛さがわかるのは嬉しいですね!

大根は部位によって甘さが違う、上手な大根の使い分け。大根の下処理

また、辛くない大根おろしの作り方にも秘訣があります。大根は細胞が壊れると辛味の成分が出てきます。ですので、普通は輪切りにした大根の断面におろし金にあててすりますが、側面の方をおろし金にあててすれば、繊維にそってすることになるので辛くない大根おろしが出来るのです。

大根の皮むき

次に、大根の皮むきについてです。基本の包丁での皮のむき方をご紹介します。まず、皮に包丁を斜めにして刃を入れます。

大根の皮むき

皮と身の間に包丁の刃が入ったら、包丁を持つ手の親指を、刃が進む方向に皮の上から添えながら人差し指と親指を引き合うイメージで刃を進めていきます。親指を皮の上から添えることで、包丁が皮から出てしまうこと、大根を持つ手を切ることを防ぎます。また、大根を支える手は刃が進みやすいように大根を回転させます。

包丁は苦手!という方はピーラーを使うと難しくなく皮を剥くことができますよ。

大根の下ごしらえ

大根の下ごしらえの仕方

皮を剥いたあと、面取りをします。面取りとは、大根と淵を削ぐことで、煮崩れを防いだり、味を染み込みやすくさせる処理のことです。やり方は簡単、皮を剥くのと同じ感覚で淵を一周くるりと切ります。

面取り大根の面取り

そのあとは、隠し包丁を入れます。隠し包丁とは、裏と表に十字に包丁の切れ目を入れることです。隠し包丁をすることで、面取りと同じく味を染み込みやすくさせ、早く柔らかくなります。

大根を煮る

また、大根のエグ味を抜くために、お米のとぎ汁か生米を水にひとつまみ入れます。水から大根を入れ、沸騰させて煮込みます。大根に竹串がすっと通れば完成です!

大根切り方

いかがでしたでしょうか?
辛くない大根の見分け方やすり方で自分が欲しい辛味のものを選び、面取り、隠し包丁、お米を入れる、という下処理で、今まで以上に美味しい大根料理を作ってみてくださいね!

三浦半島にある川島農園さんの自家製たくあん

川島農園自家製たくあん「まいるど」の誕生

昭和の後半、「三浦大根」から「青首大根」が主流になりました。「平成に入ったあたりからは大根そのものの消費量が減って、売れない時代がやってきてね・・」と神奈川県三浦市三崎町で大根の生産・加工業を営む川島さんはおっしゃいます。産地間競争が激しくなり、見た目のきれいなもの・形の揃ったものがより良い大根とされるようになりました。おのずと廃棄される大根の量が増え、頭を抱えていたときに、よその業者ができない丁寧な作り方でたくあんを作ろう!と考え加工へ踏み切りました。一つ一つ天日干しにし、天候に合わせて干し加減を見ながら漬け込み作業へ移ります。糠と塩、少しの甘みで漬け込んだ、着色なしのたくあんは、歯ごたえも自慢です。

三浦大根のたくわんたくわん

大根の収穫時期は家族総出!朝から晩までの手作業

大根の収穫時期を迎えた川島農園では、夜明け前から家族総出で作業にかかります。たくあん用の青首大根は収穫後洗浄し、実の先端をハサミで切り、葉先を切り落としたら二本ひと組にして紐で縛り・・すべてが手作業です。畑と加工場をぐるりと囲うように設置された棚にひと組ずつ並べて干すと、あたり一帯はまるで大根のカーテンがかかったようです。これぞ三浦の土地ならではの風景。

三浦大根を干す三浦大根のカーテン

中には一筋だけ皮がむいてある大根があり、尋ねてみると・・「首の方が太いから水分が抜けやすいようにしてるんです。昔、表面の傷をちょっと削ってから干したときに、干し加減に差が出ることがわかってね。それからこうしてバランスを取るようになったんです。」大根の生産同様、たくあん作りも試行錯誤の連続でここまで来られたことがわかります。

三浦大根を漬ける

「おもしろがってやる」「楽しいからできる」

大学生の息子さんも後を継ぐ決意で週末には仕事に取り組まれています。全国的にも農家の後継者問題は大きな課題ですが、川島さんは「息子が自分で決めることだとは思っていたけど・・誰だって魅力やおもしろみがない仕事は嫌でしょう?だから私自身、何でもおもしろがってやってきました。その姿を見せられたってことかな。」と、やはりどことなく嬉しそうです。「楽し〜いの!とにかく楽しいから毎日毎日でも、暗くて寒〜い朝からでもやり続けられるの。」ニコニコとおっしゃるのは、干した大根を1本ずつ切り落として軽トラに積み上げるおばあちゃん(川島さんのお母様)。その笑顔に、息子さんが自然と就農を決意した理由が分かったような気がしました。

川島農園

富有柿を通して伝えたい「農業はカッコいい仕事」/せっきーファーム関谷英樹さん

自分の作る富有柿で地元の知名度を広めたい!

もともとは名古屋と東京でアパレル関係の仕事に就いていた関谷さん。そこで地元・岐阜県の知名度の低さにショックを受けます。2011年、岐阜県が発祥の地といわれる特産品「富有柿」で、もっと岐阜県を知ってもらおうとUターンを決意。若手農家を育成する研修に参加し農業を学んだ頃、タイミングよく柿農家を募集している畑があり就農。柿農家としてのスタートをきりました。そんな関谷さんが受け継いだ柿畑は、柿の木を横に広げて伸ばすように栽培し、日当たりと風通しをよくした畑になっています。こういった工夫を凝らした畑の柿は昔から評判がよかったそうで、受け継いだ関谷さんは味を損なわないように丁寧に柿の世話をしています。

柿の育て方岐阜が発祥の富有柿

1年を通した柿の育て方

収穫の時期を迎えるまで、農家さんはどのような作業をしているのでしょう?
まず、収穫を終えた12月からは剪定(せんてい)という作業があります。これは先ほど述べたように枝を横に伸ばすために形を整える重要な作業です。せっきーファームではミツバチが受粉してくれます。その後、摘蕾(てきらい)という、わざと蕾を減らして柿の数を絞り込む作業をします。これによって柿ひとつひとつに十分な栄養が行き渡り、大きな実へと成長していきます。夏は草刈りや水やりなど細やかな世話をつづけ、成長を見守ります。草刈りも除草剤は使わない徹底ぶり。こうして1年を過ごした柿は、色づきを見ながら手作業で収穫をしていきます。秋の冷え込みは一気に色づいて食べごろを迎えます。
ここ数年の天候は暑い日が多くなり、以前はなかった日焼けの症状がみられるようになりました。こういった環境の変化は農家さんを悩ませますが、それも乗り越えて甘くておいしい富有柿を届けられるように取り組んでいます。

柿農家関谷さん

柿を美味しく、楽しく食べるアイデア

柿の収穫

10月下旬から11月と短い期間で収穫される富有柿。しかし、一気には食べきれません。そんな時はどういった保存がいいのか気になり、関谷さんへ質問。柿のヘタに濡れたティッシュを乗せてからラップでくるみ冷蔵保存するとよいと教えてくれました。また、糖度も日持ちもよい富有柿は、サラダやカレーに入れたりと、家庭での料理に取り入れて季節を楽しめるのも魅力のひとつですね。

2015年、若手農家の関谷さんらしい、新しい柿の楽しみ方を考案しました。それが「ハロウィン柿」です。同じ秋に収穫されるのだから、柿を飾ってもいいんじゃないか?と思い、商品化しました。新しい視点で、これからも『富有柿』と『岐阜県』をアピールしていきます。若い人の農業離れにより後継者がいない現状を危惧しており「もっと若者に農業の魅力を伝えたい」「農業は忙しいだけで稼げないというイメージを崩したい」と話す関谷さん。柿畑の目の前にある幼稚園のこどもたちは柿が大好きです。柿が育つ景色を目の前にしながら成長するこどもたちが、未来の農家を目指してくれる日が来るかもしれません。こどもたちの元気な声をきいて育つ関谷さんの富有柿は、さらに美味しさを増しているかもしれませんね。(取材中も楽しそうに遊ぶ声が聞こえてきました)

れんこんとつくねの照り煮レシピ

秋は、根菜類の美味しい季節。

れんこんは、ビタミンCも豊富で、独特の粘り気の成分ムチンは、粘膜を保護してくれる効果が期待されるので、これから寒くなる季節に風邪予防としても、積極的に食卓に登場させたいお野菜ですね。

れんこん

和風でいうと、輪切りにして天ぷら、薄切りにして酢ばす、いちょう切りにしてきんぴらに、すりおろしてしんじょ・・・など、様々なお料理に変幻自在なれんこんです。今回は、これからの季節においしい煮物にしてご紹介していきます。シンプルな材料でつくれますよ。

シャキシャキのれんこんのきんぴらをつくる

煮物にするれんこんは乱切りがおすすめ

れんこんの切り方れんこん乱切り

れんこんの乱切りは、表面積を広く多く切ることで、味がしみやすくなるので煮物に用いられることの多い切り方です。切り方は、食材が太い場合は、縦半分、あるいは1/4に切り、端から手前に転がしながら、斜めに包丁を入れて切っていきます。深く包丁を入れると、細長い乱切りに。浅く包丁を入れるところっとした乱切りに。気をつけることは、同じ大きさに切りそろえること。盛り付けた時に、見栄えします。

れんこんとつくねの照り煮

れんこんとつくねの照り煮の材料(4人前)

  • れんこん:300g
  • 鶏ももひき肉:300g
  • たまご:1個
  • 酒:大さじ1
  • 片栗粉:大さじ2
  • おろししょうが:小さじ1

煮汁の材料(4人前)

  • 水:200cc
  • 砂糖:大さじ1
  • みりん:大さじ2
  • 醤油:大さじ2

れんこんとつくねの照り煮のレシピ

れんこんの下処理

01.れんこんの下処理

れんこんは皮をむいて乱切りにして、さっと水にさらし水気を拭いておく。

レンコンのアク抜きは必要?不要?

02.つくねを作る

ボウルにつくねの材料を合わせて、粘りけが出るくらいによく混ぜる。

03.つくねを煮る

底の広い鍋に、煮汁を入れ中火にかけて2のつくねをスプーンで形を好みの大きさに整えひとつずつ入れていく。

れんこん煮物レンコンを煮る

04.れんこんを煮る

れんこんを加え、落としぶたをし(アルミホイルでもいい)12分くらい煮て、火が通ったら最後に落としぶたをとって強火にし、鍋を返し全体に煮汁をからめ照りをつける。

れんこんとつくねの照り煮

05.完成!

器に盛り、好みで針生姜を天盛りにする。

普段のおかずにもいいですが、お重に入れれば晴れの日のおかずにも合います。れんこんは縁起がいいとされる食材です。味付けもしっかりしていて日持ちもするので、ちょっとカジュアルなおせちにもいいですね。ぜひ、おためしください。

れんこんおせち料理

写真・文 フードコーディネーター・ジュニア野菜ソムリエ 三木れいこ

どうする?どうなる?冷凍レンコンの調理

旬のレンコンを冷凍保存

レンコンがおいしい季節です。冷凍保存すると、ちょっとイイことがあります。美味しいままに保存できますし、また「おかずが何も無い」という時に、さっと炒めてきんぴらにしたり…他の野菜と合わせて、野菜炒めもよいですし何かと使えます。

冷凍保存の方法は2㎜〜5㎜のスライスや、また煮物用に乱切りにと、お好みにカットして下ゆでして保存します。

さて、その冷凍レンコンですが炒めて使う時にどうしますか?一般的には冷凍のまま使うのですが、それはなぜなのでしょうか?解凍してしまった場合と比べると、どのようなちがいがあるのでしょうか?きんぴらを作り、検証してみました。

冷凍レンコン

冷凍のままor解凍してから?違いを検証してみた!

同じ分量のレンコンと調味料を使い、冷凍のまま調理する場合と、解凍してから調理する場合の、味・食感の違いを比べてみました。

材料

  • 冷凍レンコン:200g (一枚5〜6㎜のスライス)
  • 油:小さじ1/2
  • 醤油:大さじ1 1/2
  • 砂糖:大さじ1
  • 酒:大さじ1/2
  • (好みで唐辛子:1本)

手順

1.フライパンを温め、油をひく(好みで唐辛子をいれる)

2.レンコンをいれて2〜3分炒める。

3.調味料を加えて1〜2分炒める

調理中の気づき

冷凍レンコン

◆気づきポイント1:冷凍レンコンは炒めている最中にじゅわじゅわと水分がたくさん出てくる。

冷凍レンコン

◆気づきポイント2:解凍したレンコンはその時点で水分が出ています。→軽く絞ってから炒めました。結果、冷凍レンコンのように炒めている最中に水分が大量に出てくることはありませんでした。

冷凍レンコン

◆気づきポイント3:冷凍レンコンは調理中に水分が出るので味が薄まりそう。

冷凍レンコン

◆気づきポイント4:水分が出ることで食感はどうなるのだろうか?

調理結果、味・食感の違い

冷凍レンコン

◆冷凍レンコン→シャキシャキ感がある。味はさっぱりとしていてレンコンの旨味がある。

冷凍レンコン

◆解凍レンコン→冷凍レンコンほどシャキシャキ感がなく味が濃い。

冷凍レンコン

美味しさと冷凍と水分の関係

冷凍すると組織が壊れて味がしみ込みやすくなりますが、解凍すると組織の中にできた氷が溶けて水となり流れ出ます。レンコンは水分が失われ、組織がやわらかくなるので食感も失われて、フニャッとします。そして水分とともに栄養や旨味も逃げてしまいます。

冷凍のまま炒めると組織から流れ出る栄養や旨味を逃がさずに調味料と一緒にとり込むことが出来ます。また完全に解凍される前に調理することで食感のよさが残ります。シャキシャキ感はレンコンの美味しさの一つです。とくにきんぴらの場合は活かしたいところですね。

下ゆでしないでそのまま冷凍はNG!

冷凍する前の「下茹で」という一手間は必要でしょうか?レンコン5〜6㎜スライスを下茹でなしでそのまま冷凍して、冷凍のまま調理してみました。結果、じゅくじゅくと水っぽく、味が表面的でフニャフニャしていました。明らかに下茹でしたもののほうが美味しくできました。

野菜やくだものは、水分量が80~90%と多いため、そのまま冷凍して解凍するとその分、水分がたくさん出るので旨味をのがしてしまうのです。下茹ですると食感の変化や変色などを防ぎ冷凍に強くします。

解凍すると水分が出て旨味をのがしていまうことがわかりました。調味料を用意して、冷凍庫から出したらすぐ調理!が美味しさの隠し技ですね。

(文・写真 / ほし まさみ)

畑で食べる完熟いちじくの味/愛知・大府市 山口茂樹さん

太陽の果実・旬の無花果(いちじく)を農家さんに学ぶ

いちじく

愛知県は全国シェア一位を占めるいちじくの産地。いちじくが最盛期の9月上旬頃、大府市にある山口農園の山口茂樹さんの畑を訪ねました。山口さんは地元特産の木の山芋をはじめ、人参・玉葱・ブルーベリーなど、年間を通して数十種類もの野菜や果樹を育て、夫婦で長年農業を営むベテラン農家さん。あいち在来種保存会のメンバーの一員として伝統野菜の保存活動も行っています。

いちじく畑

山口さんのいちじく畑は、周辺は、なだらかな小高い丘が連なり畑の向こうには真っ青な青空が一面に広がっています。いちじく達もお日様の日をたくさん浴びて気持ちよさそう。いちじくの香りがふんわり漂ってきます。

山口さんのいちじく栽培のこだわり

山口茂樹さん

山口さんの「いちじくの木」はうねに沿ってきれいに木が並んでいます。これは左右2本に分けた主枝をまっすぐに伸ばす「一文字整枝」という仕立て方。がっしりとした太い主枝から結果枝(けっかし)という大人の背丈より少し高めの細い枝が数十cm間隔で上に向かって伸びています。いちじくは日当たりが大切。この栽培方法だと太陽の光をしっかりと浴びることができて、美味しいいちじくに育つそうです。

美味しいいちじくを選ぶ3つのポイントいちじくの笠かけ

いちじくの枝には至る所に透明の傘のようなものが取り付けられていました。これは傘かけと呼ばれる、雨が直接いちじくの実に当たらないようにするためのものです。雨が当たると実が腐ったり、トマトみたいに一気に水を沢山吸うと実が割れちゃうからのだそうです。いちじくはおへそを上に向けているので、そこから水が入ると病気になったり腐りやすく、とてもデリケートな果物です。

いちじく農家の朝は早い・早朝に収穫しその日の午後には出荷

いちじくの出荷

いちじくの収穫は8月上旬~11月上旬ごろまで。1日に「一熟」と毎日1個づつ熟するといわれているように、毎日の収穫作業は欠かせません。いちじくは熱に弱くてとってもデリケート。収穫作業は気温が低めの早朝5時過ぎから始め7時頃には終わらせ、作業場で仕分けと箱詰めをして午後には出荷します。

美味しいいちじくの見分け方

収穫のタイミングや見極め方のポイントを伺うと、市場に出回るタイミングを計算して完熟手前の状態で収穫・おしりの割れ具合や色づきと大きさ、それからヘタの部分の色を見ること。「熟してくると全体が色づいてきて、ヘタの部分に独特な透明感が出てくるんだよ」と山口さん。

まだまだ未熟ないちじくは緑色が強いのに比べて、熟しているものは確かにしっとりとした透明感がありました。これは毎日いちじくの成長を見守っている農家さんにしか気付けない事ですね。山口さんは、こうやって美味しいいちじくを選んで、私達に届けて下さっています。

畑で食べるもぎたて、いちじくの味

「今日は収穫しちゃったから、熟したのがここにはないけど」と、いちじくをひとつ山口さんがちぎってくれました。みんなで一緒にパクッ!口いっぱいに広がるいちじくの香り。まだちょっぴり酸味があって甘酸っぱい。完熟前とはいえもぎたてのいちじくは美味しい!

おすすめの食べ方はありますか?と聞くと、やっぱり完熟したいちじくを畑で食べるのが一番美味しいとのこと。もぎたての新鮮な無花果を食べられるのは農家さんの特権ですね!

いちじく

私ももぎたての完熟いちじくを畑で味わってみたいな。まだまだ暑かった取材の日。秋晴れの空の下、畑で食べたいちじくはお日様の味がしました。

文・野菜ソムリエ/ナチュラルフードコーディネーター 桜井さちえ

ぬか床を作り始める時期はいつが最適!?

ぬか床を作るのに適した時期っていつぐらい?

昔は代々家に伝わるぬか床があったり、当たり前のように各家庭にはぬか床があったりしました。しかし、今はなかなか代々伝わるぬか床があるおうちは少ないですし、ぬか床があるおうち自体が少なかったりしますよね。それでも食事を食べに行ってぬか漬けが出されると何だかホッとした気持ちになれるから不思議です。

ぬか床を作る時期

できたらぬか漬けを自分でも作れたら良いなと思って材料を揃えて漬けてみたものの、何だか違う・・・という経験をされた方は結構いらっしゃるかもしれません。その何だか違うと思った理由は、もしかしたらぬか床を作った時期かもしれませんよ。実はぬか床にも作るのに適した時期というのがあるんです。今回はそのぬか床を作る時期はいつが最適なのかをご紹介したいと思います。

ぬか床を作るときには発酵させる必要がある

ぬか床は、ただぬかなどの材料を混ぜてすぐにできる訳ではありません。ぬか床に野菜を漬けて美味しいぬか漬けが食べられるようになるまでには、きちんとぬか床を発酵させる必要があるのです。ぬか床を発酵させるのに一番適した温度は20度~25度ぐらいだと言われています。その気温になってぬか床を作るのに最も適した時期と言われているのが夏前なのです。

冬場でもぬか床を作ることができますが、発酵するまで3か月ぐらいかかってしまいます。しかし夏前なら1か月ぐらいでぬか床が発酵してくれるのです。
材料を混ぜてから美味しいぬか漬けを漬けられるぬか床ができるまで、今の時期ならそんなにかからずにできてしまうんですよ。

夏前にぬか床が作れなかった場合、ぬか床を作るのに適した時期は?

夏野菜は特にぬか漬けにすると美味しいので、夏前にぬか床を作るのが理想的です。もしそれ以外の季節になってしまう場合は、秋口になってきてからが良いでしょう。基本的に20度~25度がぬか床の発酵に理想の温度だということを覚えておいてください。そして、1日1回は混ぜるということも忘れずに。

栄養満点の美味しいぬか漬けがあれば、食欲がなくなりがちな暑い夏の時期でも元気に過ごすことができそうですよね。これから迎える本格的な夏に備えて自分のぬか床を作ってみるのはいかがですか?

ぬか漬けの漬け方!野菜を漬けてみます

お弁当の彩りに 酢取りみょうがと茄子の香味浅漬け

お弁当の彩りに重宝する「おつけもの」

おつけものは、色合いをきれいにしてくれるだけでなく、口の中をさっぱりさせてくれます。今回は夏から秋にかけてが旬の、茄子とみょうがを使った簡単なおつけものをご紹介します。

お弁当にお漬物

2種類のオススメおつけもの作り方

1.酢取りみょうが(みょうがの甘酢漬け)の作り方

酢取りみょうがの材料

茄子とみょうが

  • みょうが:適量
  • 甘酢:大さじ3
  • 水:大さじ3
  • 砂糖:大さじ1
  • 酢:大さじ1
  • 塩:適量

酢取りみょうが作り方

みょうがを酢につける

  • ボウルに甘酢の材料を合わせる。
  • みょうがは縦半分に切ります
  • 沸騰したお湯でさっと茹で塩をふります。
  • 合わせておいた甘酢に漬け、好みの時間漬けて出来上がりです。

2.茄子の香味浅漬けの作り方

浅漬けの材料

  • 茄子:1本
  • 大葉:適量
  • 生姜:適量
  • ごま:適量
  • 酢:小さじ2

茄子を塩もみ

浅漬けの作り方

  • 茄子はへたをおとして、縦半分に切り、斜め薄切りにする。
  • 大葉、生姜は千切りにしておく。軽く水にさらしてあく抜きし水気を切っておく。
  • 茄子に塩小さじ1(分量外)をまぶしつけ軽くもみ、しんなりしたら軽く水気を絞る。
  • 酢、千切りにした生姜、大葉、いり胡麻を軽く合わせる。

綺麗な発色は、ある調味料の効果。

いずれもあっという間に出来てしまう手軽さです。

茄子の香味あえ

茄子と茗荷の紫色の色素は、アントシアニン。 変色したり、色落ちしやすい色素ですが、お酢を上手く使うと、発色をよくしたり、色止めの効果があります。

酢取りみょうがの甘酢のつけ時間は、30分位で薄いピンク色に変わり、だんだん鮮やかなピンク色に変わっていき、そのまま漬けておくと1週間程度は使っていただけます。

今回はお弁当に添えましたが、焼き魚やお刺身に添えたり、様々な使い道があります。また、茄子は漬け物でも発色を美しくするのが難しい食材です。色止めには、ミョウバンを使うのが一般的ですが、味にも影響がありますし、わざわざ買いに行くのもめんどうです。今回はお酢の色止め効果を使いました。

なんでもない簡単なお弁当でも、手作りお漬け物の彩りががあると嬉しくなりませんか?よかったら試してみてください。

写真・文  野菜ソムリエ ・ 料理家 三木れいこ

見た目で選ぶことなかれ 、たっぷり甘い青梨系の新顔「秋麗」

美味しさの印は〝サビ〟にあり

夏から秋にかけて旬を迎える梨。ジュワッと甘い果汁がのどを潤す瞬間に幸福を感じます。梨といえば8月にピークを迎える「幸水」に続き、8月下旬から「豊水」とメジャーな品種が出回る間に、瞬間的に数少なく出回る品種「秋麗(しゅうれい)」があります。

秋麗

ご存知でしょうか?この「秋麗」を見つけたら即、買いです!2008年頃から流通が始まり、まだまだ生産量の少ない希少品種です。素朴な見た目とのギャップに誰もが驚く美味しい梨なのです。

鮮度の良い、美味しい梨の見分け方といえば、左右の形が対象に整っていて、皮に色むらや傷がなく、ずしりと重いものがおススメですが、「秋麗」はやや平たい形。皮には〝サビ〟という傷のような褐色の斑があり、綺麗とはいえない外見。しかし食べてみると、美味しいことといったら!!

『梨はサビがある程、食味がよい』という特性があります。サビは無袋栽培により果皮が太陽に直接あたった証。その分、糖度が高くなります。梨は糖度が11度でも甘いのですが「秋麗」は12度以上。サクッとした食感、幸水以上に濃い甘み。芳醇な香りがすうーと鼻に抜けていきます。

青梨系のホープ

秋麗

青梨系の「秋麗」は2003年に国の研究所により「幸水」と「筑水」を交雑させ誕生しました。親にあたる「幸水」からは緻密な果肉から溢れだす果汁の多さとシャキシャキ感を「筑水」からは濃厚な甘さを受け継ぎました。「幸水」「筑水」ともに赤梨系ですが共に親は青梨系なので「秋麗」は青梨系になりました。

かつて一世を風靡した「20世紀梨」をはじめ青梨系が赤梨系におされ減少する中、新しい青梨系の開発が進められ「秋麗」が誕生しました。青梨系の期待の星「秋麗」の苗は全国に配られましたが…生産をする農家はほとんどいませんでした。それは「秋麗」は大変美味しいのですが見た目が悪く、生産者の手間と時間がかかる栽培の難しい梨だったからです。

青梨

剪定と誘引作業の難しさ

「秋麗」は花が多く咲くため実も多く付けるのですが、その分、摘花(すぐれた果実や花を得るために植物体の開花に対して間引きを行う剪定 (せんてい) 作業の一種)も大変になります。また6月から7月にかけて雨が続き、水分を多く含みすぎるとすぐ割れてしまい、たくさん実を付けても商品にならないものは摘果をせざるおえないため、収穫の予測がつかない難点もあります。

水分が果樹にいかないよう工夫し、摘果をくりかえし、満遍なく日を当てて美味しい果実に育てるための作業が必要です。収穫のタイミングにおいても経験を積んだ者にしかわからない難しさがあります。極めて高度な匠の技が必要とされるのです。

そんな「秋麗」の大半を出荷する県は熊本県だけです。県をあげてブランド梨としておしすすめ、年々生産量をあげています。県基準の糖度12度以上をクリアしたものだけを出荷します。中でも、高糖度の13.5度以上のものは特選品として関東の果物専門店で販売されます。

「秋麗」のピーク時期は8月下旬からの数週間。馴染みは薄いですが味は濃厚。他県でも生産はあるため、今後、出荷が増えることを期待したい青梨系の期待の星「秋麗」。見かけたらぜひ味わってください。

8月におすすめの梨

(文・写真/ほしまさみ)